手のひらの宇宙
実現しないあなたとのデートプランを考えていたら一日が終わってた。
日曜日は竹下通りで、あなたはこのワンピース好きかなって、このヒールだと背を越しちゃうかなってあなたの好みを気にしてばかり。
だって、世界にひとつだけのその笑顔、私だけのものにしたいんだもん。
でも、たった二文字が言えなくて今日も私は見てるだけ。明日には違う誰かと手を繋いでるかもしれないってのに。
だって、あなたは私の好みを知っているから。なんであんなこと言っちゃったんだろ。
悪ふざけでもいいから一度私のこの手を握って?「友達だなんて思ったことはない」とか言ってみせてよ…
それでね、もしあなたから恋に落ちる音が聞こえたら、僕に彼女ができたんだって誰かに話したいって思ってほしいな。でも付き合ってることは内緒にしたいかも。
3回目のデートの待ち合わせに遅れてきたら、本当は見つけているけど嬉しそうに探してたみたいで情けないから用もない携帯いじって知らないふりするね。
遠距離になったらいつでも会いに行けるように免許を取るよ。
一緒に住んだら、夏はアイスを食べながらまだかなまだかなってあなたの帰りを待っているよ。
なんてことを考えた熱帯夜
「会いたい今すぐ」
そう言った私を
「わがままばかり」と
叱って今すぐ ここに来て
以上
明日はヒーローに会いにいきます。
雨が傘を叩く音を聞きながら。